内臓脂肪と皮下脂肪の違い
更新日:2019年6月6日
もう何年も前になりますが、「メタボリック」という言葉が誕生して、世間一般に流行り始めたころから、脂肪にも2種類のものがあると注目されるようになりました。ひとつは「内臓脂肪」、もうひとつは「皮下脂肪」です。その体型から、内臓脂肪型の肥満をリンゴ、皮下脂肪型を洋ナシに例えられたりもします。
リンゴと洋ナシ
リンゴに例えられた内臓脂肪型肥満は、おなかを中心に上半身に脂肪がついてしまっている形です。以前からビール腹などと呼ばれていました。これは中年男性に多い太り方です。
一方、洋ナシに例えられた皮下脂肪型は若い女性に多い太り方です。こちらはお尻・下腹・太ももなど下半身を中心に脂肪がついてしまっている形です。
特に問題になるのは…
どちらの脂肪ももちろん減らしたいところですが、特に問題とされているのは前者の内臓脂肪です。名前からしてもこちらの方が問題がありそうですよね。
内臓脂肪がつきすぎると、高血圧や高脂血症・心臓病などといったとても恐ろしい合併症になる可能性が高くなります。こうなると体型云々ではなく、健康すらおびやかされてしまいます。
逆に、皮下脂肪はある程度ある方が理想的です。女性限定の話ですが、妊娠や出産時のエネルギー源となるため、減らしすぎるのもよくないのです。ただもちろん付きすぎているというのは問題ですから、余分な皮下脂肪も減らしましょう。
そもそも体脂肪とは?
ここまで2種類の脂肪について話をしてきました。ここでちょっと原点に戻って、そもそも体脂肪とはなんなのか、という説明をしたいと思います。
読んで字のごとく、体脂肪とは体の中に蓄えられた脂肪のことなのですが、これは体内の余ったエネルギーを万が一の時のために、脂肪に変えてとっておかれたものです。体脂肪にはエネルギーを保管しておく機能の他にも、体を保温してくれたり、内臓を守って正しい位置に保ってくれたり、といった様々な機能があります。
ですから、一言で体脂肪と言っても常に悪者であるわけではありません。むしろ生きていくうえで、ある程度の体脂肪は必要不可欠であるということです。必要不可欠ではあるけども、過剰にあると問題を起こすというのがややこしいところです。
体脂肪もバランスが大事
体脂肪が足りないと病気にかかりやすくなったりします。また女性の場合は体脂肪率が17%を切ってしまうと、月経機能が正常に維持されなくなる恐れもあります。
しかし、体脂肪が必要以上にあると、先にあげた高血圧や高脂血症など生活習慣病の原因にもなりますし、スタイル・外見的にもあまりいいとは言えないでしょう。
ですからバランスよく体脂肪・体脂肪率を保つことが重要になってきます。ダイエットで目標とするべきなのは「がむしゃらに体重を落とす」のではなく「理想の体重になる。そしてそれを維持する」ことなのです。